本書の内容

書影

老薔薇園 ──シリーズ 日本語の醍醐味(7)

金子光晴

「園は廃れた。踏み入る小径もなくなつた。」(「廃園」より)
異色の散文詩集『老薔薇園』を中心に、反骨の詩人・金子光晴の詩業を一望する。

 無一文で中国、東南アジア、ヨーロッパを放浪し、冷徹な目で日本を見つめ続けた金子光晴。代表作ともいえる詩「鮫」を発表後、軍国主義など日本の社会体制を批判する抵抗詩を書き継いだが、それらはお仕着せの思想信条などではなく、家族や近しい仲間を思う、ひりひりするような皮膚感覚から紡ぎ出されたものだった。
 初期のきらびやかな耽美詩から、人間への愛情と絶望がない交ぜになった晩年の作品まで、生涯天邪鬼を通した金子光晴の詩業を一望する80篇を収録。(→もうちょっと詳しい紹介ページ

※七北数人氏を監修者に迎えた「シリーズ 日本語の醍醐味」は、“ハードカバーでゆったり、じっくり味わって読みたい日本文学”をコンセプトに、手に汗握るストーリーではなく、密度の濃い文章、描写力で読ませる作品、言葉自体の力を感じさせる作品を集成してゆきます。
本シリーズの書評

2015年11月5日発行 四六判・上製 416ページ
本体2,800円+税  ISBN978-4-904596-09-8 

【目次】

序詩
おっとせい

詩・散文選T
苔/柩/誘惑/二十五歳/アルコール/大腐爛頌/草刈り/水の流浪/土管と季節/秋の女/渦/散歩/小篇/小姐

『老薔薇園』(全)
廃園/煙突/晩秋/春宵/雪どけ/鏡/都会/骨/道路工事/武装/うれひの花/冬の雨/漆器と和紙/風流/夜/日章旗/竹林の隠士たち/赤寺/悲しき電気/浦島/印度記/燐/玳瑁/老薔薇園/魚/龍/エルヴェルフェルトの首

詩・散文選U
泡/どぶ/鮫/落下傘/屍の唄/寂しさの歌/子供の徴兵検査の日に/富士/戦争/三点/〔「南方詩集」序詩〕/ニッパ椰子の唄/洗面器/孑孑の唄/偈/瘤/冥府吟/蛾/序(『人間の悲劇』)/女の顔の横っちょに書いてある詩/もう一篇の詩/さらにもう一篇の詩/〔ぱんぱんが大きな欠伸をする〕/くらげの唄/失明/お前を待つてゐるもの/花火/葦/非情/偈/無題/森の若葉 序詩/若葉よ来年は海へゆかう/おばあちゃん/愛情1/愛情13/愛情26/そろそろ近いおれの死に

解説/七北数人

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